RICHのサービスをご活用いただいている「株式会社 エコシステム」の髙田 実社長にお話をお伺いいたしました。
■御社の主な事業内容について教えてください。
弊社は産業廃棄物である廃瓦の再生事業に取り組んでいます。廃瓦を破砕機で破砕(粉砕)して様々な粒度にし、これらをコンクリート舗装材の骨材として使っています。この瓦舗装材は透水性や保水性といった「機能を持たせたコンクリート舗装材」としており、弊社でこの瓦舗装材を開発し、製造・施工を行っています。瓦舗装は主に公園の園路や広場、歩道等で使われています。
瓦舗装材は透水性や保水性といった機能を持たせる事で、豪雨による都市洪水対策や路面温度低減によるヒートアイランド対策になります。瓦舗装材はリサイクル品でありながら地球にやさしい機能がある舗装材となるのです。
また、廃瓦は全国で発生することから、この舗装材を全国に普及させることで、より環境への貢献になると思い、弊社のノウハウを全国の事業者に提供(フランチャイズ化)しております。また、ノウハウの他に、舗装材製造プラント「モバコン」を使用することで、舗装材製造が簡単になり安価にリサイクルしていくことができます。
現在はノウハウをベトナムや南米といった他国への展開も試みております。
弊社ではこのような事業を行い、地産地消で廃瓦のリサイクルを推進させ、「クールな街」の構築に繋げています。
■モバコンを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
瓦をリサイクルさせて機能性のある景観舗装材を全国で提供していますが、地元の石川県内で展開する場合は自社の固定式プラントを用いて舗装材を製造していました。しかし、フランチャイズで全国展開する中で、コンクリート舗装材である瓦舗装材を製造してくれる工場は無く、これの製造は現場で人力で作っていかねばならない状況でした。この舗装材製造は人力で作るとなると、とても大変です。「これでは廃瓦のリサイクルが進まない!」と思い、現場で簡単に瓦舗装材が製造できる、つまりリサイクルを推進させることができる移動可能な舗装材製造マシンが必要であると思いました。これがモバコンを作ろうと思ったきっかけです。
■北陸RDX(またはRICH)で支援をうけることになったきっかけや、どのような支援をうけたか教えてください。
モバコンを開発する時に北陸先端科学技術大学院大学の辻先生が通信関係の技術に精通しているため、通信関係の支援をしていただいていました。北陸先端科学技術大学院大学を通じて北陸RDXの支援を受けることになり、全体を通して特許や知財の支援もしていただきました。販売に関してアドバイスをいただいたり、一緒に見込み客にヒアリングに行ったりもしました。事業を展開していく中で、事業の実現可能性をチェックするFS(フィジビリティスタディ)を一緒に行ってきました。今も定期的に打ち合わせをして、情報交換やアドバイスをいただいています。非常に懇ろなサポートを受けています。また、ESGファイナンスラボでも金融機関の前で発表する機会をいただきました。商品は完成したので、今後は販売フェーズとなるので、売ること(価値の提供)に注力したいと思っています。1台でも売っていくためにRICHさんにサポートをいただけると嬉しく思います。
■御社の今後の展望や取り組んでいきたいことについて教えてください。
営業に力を入れ、販売実績を早く作っていきたいと思います。これまでは研究、開発段階だったので、これを次の営業のフェーズに持っていきたく思います。販売先は全国で考えており、先日も展示会に出展して100社以上と名刺交換しました。また、通年でネットで製品の㏚をできるところにも出展しています。今期(来年の6月まで)に1台でも販売することが目標です。
※このインタビューは2024年8月に実施しました。